
「ゆっくりと余暇を過ごして、日常の疲れを癒したい」。そんな思いを叶えるために、リゾートマンションの購入を検討している方もいるのではないでしょうか。
リゾートマンションには格安物件もありますが、物件価格以外にさまざまな費用がかかるため、購入の際は注意が必要です。
この記事では、リゾートマンションの特徴や購入する際のメリット・デメリット、購入時にかかる費用について詳しく解説します。
また、リゾートマンションの購入は難しいかな…という方に向けて、会員制リゾートについての情報も紹介します。
リゾートマンションとは?
リゾートマンションとは、温泉街やスキー場などの観光地、避暑地、海沿いなどに建てられている分譲型マンションのことです。
長期休暇にレジャーを楽しんだり、ゆっくりくつろいだりするため、もしくは週末に家族で田舎暮らしをするためなどセカンドハウスとして購入されます。
リゾートマンションを選ぶメリット
リゾートマンションには、どのようなメリットがあるのか見てみましょう。
同立地条件の場合、一戸建てより価格が安い
新築・中古一戸建てなど建物の条件によっても価格は異なりますが、立地条件が良い場所ほど土地代は高くなります。
ですが、リゾートマンションの場合はひとつの土地を区分けして所有することになるので、同じ立地条件なら、土地の広い一戸建て別荘購入より物件購入価格を安く抑えられる傾向にあります。
共用施設が充実している場合が多い
リゾートマンションは、休日利用を目的とすることが多く、居住目的の一般的なマンションよりも余暇を楽しむための共用施設が充実しているケースが多々あります。
ジムや温泉施設、プールなどが利用できるリゾートマンションなら、より贅沢な休日を過ごせるでしょう。
管理会社に共用部分の管理を任せられる
「別荘を買っても管理が大変そう」というイメージを持っている方は多いかもしれません。
確かに一軒家の別荘の場合は、庭があればそれさえも自分で管理しなければなりません。
ですが、リゾートマンションの場合は、通常のマンションと同じように区分所有者全員で管理組合を構成するため、共有部分の管理は管理会社に任せられます。
プールや温泉施設の管理をすることなく利用できるのは、リゾートマンションの大きなメリットでしょう。
高層階は一層眺めが良い
リゾートマンションは周辺環境がよく、自然豊かな土地に建っています。そのため、海や山などの絶景を楽しめる物件も多いです。
高層階なら一層眺めが良く、最高の眺望を独り占めすることも可能です。
リゾートマンションを選ぶデメリット
リゾートマンションには、以下のようなデメリットがあります。
住む人の管理・修繕の意識が薄い
リゾートマンションは居住用に利用する人が少ないことから、通常のマンションよりも所有者たちの管理や修繕についての意識が薄い場合があります。
常に入居者がいるわけではないので管理組合の意思疎通が難しかったり、管理会社の運営やメンテナンスがずさんであっても、文句を言う人が少なかったりするケースもあるようです。
また、リゾートマンションは共用施設が充実している分、通常のマンションよりも管理費が高い傾向があります。管理がずさんな結果、修繕費が上がる可能性があるので注意が必要です。
価格が下落するリスクが高い
リゾートマンションは、1960年代頃に熱海や箱根などの保養地に建てられたのが始まりといわれており、1990年頃のバブル絶頂期のスキーブームや総合保養地域整備法(リゾート法)の制定により大きな人気を博しました。
また、リゾートマンションを利用するためだけでなく、不動産投資目的で購入した方も多かったようです。
しかし、バブルが崩壊したことをきっかけにリゾートマンションの需要は下降し、手放す人が多くなったことで一気に値崩れを起こしました。
このように、日常的に必要なものではないリゾートマンションは、不況に陥ると需要が下がり、売却価格が下落するため、リスクの高い不動産と言えます。
格安ではなくなる!これだけかかる別途費用
リゾートマンションには、一括払いも難しくないような格安の物件もあります。しかし、不動産購入は物件価格以外にも多くの諸費用がかかるため、結局は格安ではなくなる場合があるのです。
リゾートマンションには、物件価格以外にどんな費用がかかるのかチェックしてみましょう。
登記費用
土地や建物を購入した際には、登記簿に土地や建物の所有権を記録して公示する手続きが必要です。登記手続きは司法書士に任せるのが一般的で、土地や建物の引渡し時に行われます。
この登記手続きにかかる登録免許税や、司法書士に依頼した場合の報酬などの登記費用がかかります。
ローン関連費用
住宅ローンを利用して物件を購入した場合、ローンの保証料や事務手数料などがかかります。
また、住宅ローンで融資を受けるには、火災保険へ加入することが義務付けられているケースが多く、その費用が必要な場合もあります。
共益施設負担金
共益施設負担金は、敷地内の道路や汚水処理施設などの整備をするための費用です。物件の引渡し時に支払う場合や月払いの場合があります。
他にも、上・下水道の設備にかかる水道負担金や、温泉のあるリゾートマンションでは温泉を引く権利を得る温泉権利金(中古物件の場合は名義変更料)がかかるケースもあります。
修繕積立基金
共用施設の大規模修繕の一時金として、購入時に修繕積立基金を一括で支払うケースが多くあります。また、修繕積立基金とは別に、毎月支払う修繕積立金が管理費と一緒に集められます。管理費や修繕積立金は、老朽化が進むと金額が高くなる場合もあるので注意しましょう。
リゾートマンション購入時の諸費用は、物件価格の10~15%程度といわれています。他にも、売買契約時には、不動産会社へ支払う仲介手数料や手付金などが必要となる場合があります。
また、利用開始後には各種税金(不動産取得税・住民税・固定資産税など)、水道や光熱費、温泉使用料(温泉付きリゾートマンションの場合)などがかかるので、格安物件であっても別途費用がどのくらいかかるのか確認しておくことが大切です。
リゾートマンションをあきらめきれないなら会員制リゾート
「デメリットが気になるけど、リゾートマンションは諦めたくない。」なら、会員制リゾートを利用することを視野に入れてはいかがでしょうか。
会員制リゾートは、会員本人や同伴者が利用できるリゾート施設のことです。リゾート会員権を購入して会員になると、そのリゾートクラブが運営する施設を利用できます。
具体的に、会員制リゾートのポイントをチェックしてみましょう。
支払いの負担が少ない
会員制リゾートを利用するには入会金や年会費が必要です。しかし、人気のリゾート地にリゾートマンションを購入する際に必要な初期費用に比べればリーズナブルなケースがほとんどです。
また、会員制リゾートを利用する際には宿泊費がかかりますが、グレードの高いホテルや旅館を相場より安価で利用できるのがメリットです。有名観光地のスイートルームレベルのお部屋にも、お得に滞在できます。
施設が充実している
リゾートマンションがある別荘地の場合、利便性の悪いエリアであれば買い物をする場所も飲食店も遠いことがあります。自分たちで食事を用意することも、はじめは楽しくても、長期滞在になると段々苦痛になる場合もあるでしょう。
しかし、会員制リゾートなら和食や中華、フレンチなどのレストランが施設内にあることも多く、一泊二食付きでゆっくりと過ごすことも可能です。バーやラウンジで美味しいお酒を嗜むこともできます。
また、プールや大浴場などリゾートマンションが併設していることの多い施設を、リゾート会員権で利用できる宿泊施設でも併設している場合が多いです。
全国各地で利用できる
会員制リゾートの大きなメリットといえば、全国各地のリゾートクラブが運営しているリゾート施設をお得に利用できることです。
どんなに気に入って購入したリゾートマンションでも、同じ場所だといつか飽きてしまうこともあるでしょう。しかし、会員制リゾートなら、季節や気分に合わせて滞在する施設を選べます。
冬は温泉地で露天風呂付きの部屋に滞在、夏はオーシャンビューのホテルに泊まるなんてこともできるのが魅力のひとつです。
管理する必要がない
リゾートマンションを購入した場合、共用部分の管理はお願いできても、自分の部屋の管理は自分でしなければなりません。
そのため、着いたらまずは部屋の掃除からはじめなければなりません。それを毎回やらなければいけないと思うと、せっかく購入しても行くのが億劫になる方もいるでしょう。
その点、リゾート会員権の対象施設は、ホテルや旅館に宿泊するのと変わらないので、着いたらすぐに寛げます。保養が目的なら、このメリットは大きいですよね。
このようにリゾート会員権の利用にはさまざまなメリットがあります。
リゾートマンションを保有するのは勇気がいる……という方は、リゾート会員権の購入も視野に入れてはいかがでしょうか。