
レジャーや避暑のために別荘を持てたら…と考えている方は多いでしょう。けれども、資金や管理の手間を考えるとなかなか気軽に手は出せないもの。
その場合おすすめなのが、さまざまなリゾート地の施設を自由に使える「リゾート会員権」という選択肢です。
この記事では、リゾート会員権のメリットや選ぶ際のポイントについて解説していきます。
リゾート会員権とは
まずはリゾート会員権の特徴や、所有した場合の注意点について見ていきましょう。
土地建物代以外に入会金や登録料がかかる
リゾート会員権とは、基本的に土地や建物を複数の人間(会員)で区分所有する権利です(共有制)。
そのため、まずは取得費として土地建物代が必要です。また、一般の不動産取引手続きと同様に、登記料や売買手数料、不動産取得税もかかります。同時に、そのリゾートクラブ運営会社への入会金や登録料も必要なことが多いので注意しましょう。
さらに忘れてはならないのが、リゾート会員権取得後にもランニングコストがかかるという点です。
通常は年会費という形で、管理にかかる費用等を負担します。また、オーナーのひとりとなるため、会員権を持っている限りは共有持分の固定資産税を支払う必要もあります。
一方、不動産の所有権を得ずに利用権のみを得る契約形態である「預託制」のリゾート会員権もあります。
この場合は預託金を預けることで施設を利用する権利が得られます。預託金は施設側が設定した期間経過後、退会時に返却されるのが一般的です。
こちらも共有制と同様、入会金は必要ですが、オーナーではないため不動産取得税や固定資産税を支払う必要はありません。
法人所有の注意点
経営者が社員の慰安目的などでリゾート会員権を取得した場合は、以下の点に注意が必要です。
会計処理について⇒法人
企業などの法人が所有するリゾート会員権が、共有制か預託制かによって会計処理が変わります。
【共有制(オーナーズクラブ制)】 ・登録料・・・ 資産計上(※契約期間の定めがない場合は繰延資産計上不可) ・入会金・・・ 資産計上(同上) ・保証金、償却保証金・・・ 資産計上 ・土地建物等・・・ 資産計上(※建物部分は減価償却可能) ・固定資産税等の税金・・・損金計上 ・年会費、管理費など・・・損金計上(※接待に利用する場合は交際費として、社員の慰安目的なら、福利厚生費として計上) |
【預託制(メンバーズクラブ制)】 ・登録料・・・資産計上 ・入会金・・・資産計上 ・預託金・・・資産計上(※ただし、退会時に返金) ・保証金、償却保証金・・・資産計上 ・年会費、管理費など・・・損金計上(※接待に利用する場合は交際費として、社員の慰安目的なら、福利厚生費として計上) ・土地建物等の費用、またそれに伴う税金は物件を所有していないため発生しない |
償却保証金に注意!
リゾート会員権には「償却保証金」というものがかかります。これは契約した時点から、時間経過とともに保証金の価値が減少していくためこう呼ばれます。
この減少分は、会員権を譲渡したときにはじめて損失として計上することが可能になります。そのため、減価償却のように毎年計上することはできません。
名前に「償却」とあるため、非常に紛らわしいのですが、償却費として計上してしまわないよう注意しましょう。
個人所有の注意点
リゾート会員権は相続が可能な権利です。個人所有した場合は、以下の点に注意しましょう。
国税庁による相続税評価の方法
リゾート会員権は資産として扱われます。そのため相続性評価が気になるところです。
国税庁によれば、リゾート会員権はゴルフ場会員権の評価に準じ「課税時期における通常の取引価格の70パーセント相当額により評価する」と定義されています。
これはリゾート会員権の特性上、価格形態や取引方法が一定ではなく、通常の不動産のように評価の客観的判断が難しいためだと考えられます。
売却はできる?
リゾート会員権は売却することも可能です。
売却を考えている場合は、法人か個人かで会計処理の方法に違いがあります。
法人所有の場合の会計処理
法人所有のリゾート会員権を売却して得られた利益は「売却利益」として課税対象になります。
また、売却損が出た場合は損金計上が可能です。
個人所有の場合の会計処理
個人所有のリゾート会員権の売却益は、譲渡所得となり課税対象です。
この場合、所有期間が5年超であれば「長期譲渡所得」として扱われ、5年以内なら「短期譲渡所得」として扱われます。
売却損が出た場合は、その他の所得(給与所得や事業所得など)と損益通算することはできないので注意しましょう。
リゾート会員権を得るメリット
リゾート会員権の具体的なメリットや、別荘・リゾートマンションと比較した場合の特徴は以下の通りです。
全国のリゾートクラブの施設を利用できる
多くのリゾートクラブは、全国各地に物件を所有しています。そのため、リゾート会員権さえあれば、さまざまなリゾート地の施設利用が可能です。
個人所有の別荘を全国に複数所有するのはなかなか難しいでしょう。そのため、ひとつ別荘を持ったとしても毎回同じ土地に行くことになり、新鮮味が薄れるということもあるでしょう。
一方リゾート会員権なら、その時の気分によって行き先を変えることが可能です。
リーズナブルな価格帯で利用できる
リゾート会員権というとお金がかかると思いがちですが、実際は通常の旅行よりリーズナブルな価格帯で利用できます。
同じ温泉地のホテル施設であっても、リゾート会員権のクラブホテルの方が安いというケースもしばしばあります。
また、ホテルや旅館の場合、ゴールデンウィークなどの繁忙期は利用料金が高騰しますが、リゾートクラブ施設は時期によって値段が上がるということは基本的にありません。
繁忙期にしか休暇がとれない人にとっては非常に大きなメリットといえるでしょう。
メンテナンスの必要がない
個人所有の別荘の場合、メンテナンスは自分自身で行わなければなりません。
建物は使用しないと劣化が早まるため、1ヶ月に1度程度は様子を見に行って、部屋の空気の入れ替えなどをする必要があります。また、それほど頻繁に通えないという場合は、人を雇って管理を任せるなどの対応策が必要です。
このように管理に非常に手間がかかるため、別荘を手放すケースもあります。
しかし、リゾート会員権なら自ら面倒なメンテナンスを行う必要はありません。
年会費等にあらかじめ管理契約のための費用が含まれているため、いつ行っても整備された状態で快適に過ごせます。
静かに過ごせる
リゾートクラブの所有する施設は、会員しか利用できない場合が多いです。
また、一般客が一緒に利用する場合でも、会員ルームや会員ラウンジといったクラブ利用会員しか使用できないスペースが用意されていることがほとんどです。
そのため、セキュリティ面での安心感があります。
また、利用客も日本人に絞られているケースがほとんどのため、海外客とのマナーの違いに戸惑うということもありません。海外に施設を所有するクラブでも、利用者の半数以上が日本人で占められていることが多く、落ち着いて静かに過ごせます。
リゾート会員権のデメリット
リゾート会員権を得る場合、以下のようなデメリットも考えられます。
- リゾート会員権で利用できる施設は限定される
- 利用したい日に100%予約を入れられるわけではない
- 私物を部屋に置いておけない
- 年会費・管理費などがかかる
とはいえ、施設が限定されているからこそ、旅行先を決めやすいというのはメリットでしょうし、通常の宿泊と比べてハイシーズンに予約を入れやすいのは確かです。
スノボやサーフィンボードといった趣味にまつわるものなどは置いておけませんが、滞在に必要なものは持ち込まなくてもある程度施設に揃っています。
年会費・管理費があってこそ、倒産などによって不利益を被るリスクが抑えられ、リゾートクラブ維持がなされ、別荘のようにメンテナンスをする必要もないと考えれば、完全にデメリットとは言えません。
どのようにリゾートを楽しみたいか、メリットとデメリットのどちらが大きいかを考えて、検討しましょう。
メリットを増やす選び方
リゾートクラブの会員権といっても、その種類はさまざまです。
中古で販売されている、非常にリーズナブルな流通市場価格の商品もリゾート会員権流通業界には存在します。けれども、値段だけを判断基準にすることはおすすめできません。事前に利用システムや利用方法、対象の宿泊施設について調べることも大切です。
せっかく購入するなら、メリットを増やす方法で賢く選びましょう。
行きやすい場所の施設を利用できるものを選ぶ
いろいろな場所のリゾートクラブの施設が利用できるといっても、自分や家族が行きやすい場所にも施設がなければ、なかなか利用する機会がないかもしれません。
行きにくい場所にしかないと、せっかく会員権をもっていても宝の持ち腐れになる可能性が高いです。うまく活用するためにも、クラブの所有施設の場所は事前にチェックすることが大切です。
利用したい日に予約しやすいものを選ぶ
施設の利用日数や予約可能日、予約方法はクラブによって異なります。
平日の予約が中心なのか、週末に予約が取りやすいかなど、自身のライフスタイルに合うサービスが提供される会員権を選ぶと良いでしょう。
予約が取れなければ会員権のメリットを享受できません。契約前に予約取得率を確認し、価格とのバランスも見て選ぶようにしましょう。
サービス面のニーズが一致するものを選ぶ
人によってリゾートクラブに求めるものは違います。
一方、リゾートクラブも目指すサービスはさまざまです。自分の目的と合ったサービスがなければ、せっかくの会員権を有効に生かすことはできません。
施設の豪華さに重きを置いているのか、あるいはファミリーレジャーを目的とした施設が多いのか、食事の有り無しが選べるのかなど、提供されているサービスをよくチェックし、自分のニーズと一致したものを選ぶことをおすすめします。
リゾート会員権を比較!おすすめ5選
さまざまなメリットがある、おすすめリゾートクラブ会員権5選をご紹介します。
リゾート会員権の購入を考えている方は各クラブのサイトも確認しつつ、ぜひ参考にしてください。
ザ グラン リゾート
ザ グラン リゾートは旬の地元の食材を使った懐石料理など、クオリティの高い食事を楽しめるのが特徴です。
演歌歌手を迎えての芸能イベントなども開催されています。全国19か所のホテルおよび提携施設が利用可能です。
ザ グラン リゾート 施設一覧
http://www.granresort.jp/gr-member/hotel/
エクシブ
ラグジュアリーなホテル宿泊でバケーションを楽しみたいなら、エクシブの会員権がおすすめです。
スパやプール、ラウンジ、ゴルフ場などの施設を備えた26のリゾートホテルを全国に保有、年間で26泊の滞在が可能です。また、予約手配などは専属のフォロー担当者が行い、会員権所有者の好みに合ったサービスも提供してくれます。
また、通常の半分の13泊で利用できる「エクシブバージョンZ」もあり、利用頻度に合わせたグレードを選ぶことも可能です。
東急バケーションズ
東急株式会社が運営するシェアリングポイント制のリゾート会員権サービスです。
全国に保有している21施設の他、提携施設の利用が可能です。ホテルタイプの物件だけでなく、リゾートマンション、ログハウスなどさまざまなタイプの施設から選べるのが特徴です。
家族利用はもちろん、友人との利用やペットの同伴も可能。特に、指定した「マイウィーク」の週は、毎年確実に利用できるのがうれしいポイントです。
東急バケーションズ 施設一覧
http://www.tokyu-vacations.com/facilities/
リロバケーションズ
リロバケーションズはポイント制の会員権で、購入から15年以内なら、相続・贈与・転売が可能。しばらく使ったあとは権利を譲ることを前提にしている方も購入しやすいというメリットがあります。
宿泊費なしの清掃費のみというリーズナブルさから、幅広い層の人気を博しています。
箱根や伊豆高原、有馬温泉など人気のリゾート地から選ぶことのできる、体験宿泊キャンペーンが定期的に行われており、会員権を購入する前に雰囲気をチェックすることも可能です。
リロバケーションズ 施設一覧
http://company.pvr.jp/resorts/
セラヴィリゾート泉郷
セラヴィリゾート泉郷は、コスパの良さで人気のリゾート会員権。
ホテル・コテージ・コンドミニアム・露天風呂付き客室、愛犬家へのサービスに特化した「Wan’s Resort、わんわんパラダイスホテル」などがあり、一緒に行く人、用途に合わせて選べます。
直近5年のハイシーズンの予約率について平均82.2%を誇る「オアシスクラブ 通常会員」をはじめ60歳以上のシニアを対象とし、三世代旅行に最適な「オアシスクラブファミリア」など、利用者のニーズに合わせた形式が選べるのも特徴です。
セラヴィリゾート泉郷施設一覧
https://resortlife.izumigo.co.jp/hotels/
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